この講座は、「ナラティブセラピー」という心理療法の技法を学ぶつどいです。 ナラティブセラピーは、1980年代後半にオーストラリアのM. ホワイトとニュージーランドのD. エプストンによって開発された心理療法です。 この心理療法は、社会構成主義の理論を根拠としています。その基礎は、相談者の問題は彼らの内にある何らかの心因性の欠陥や欠損によるものだとは考えず、彼らが持つ慣習や社会通念、教育、政治、宗教、メディアなどから構成された「彼らを支配する物語」であると考えることです。このことを、ホワイトは「人間が問題ではない、問題が問題である」と謳いました。問題は社会的に構成されるのであり、人の内部にはないという立場です。そして、わたしたちは、この物語を「書き換える」ように支援することで、彼らに変化を促します。 従来の心理カウンセリングとは考え方の異なるユニークな技法です。ご一緒に学んでみませんか。
ナラティブセラピーの考え方 その1
もし人が問題だったら ・わたしは母親失格だ→「子どもの不適応は、わたしが母親の役割を果たしていないからだ」 ・わたしは臆病者だ→「わたしは臆病者だから、いつまでもひきこもってばかりいるのだ」 ・わたしはうつだ→「わたしがうつになるのは、弱い人間だからだ。だからダメなのだ」
もし問題がしゃべったら ・「母親失格」の話→「しめしめ、まんまと母親のせいにしてやったよ、さあ苦しめ!」 ・「臆病者」の話→「そうだ、いつまでも行動を起こさないお前が悪いんだ、さあ苦しめ!」 ・「うつ」の話→「ようし、自分のせいだと信じ込ませてやった、これで一生治らないぞ!」
問題は人ではない、問題が問題だとしたら ・「母親失格が、わたしが子どもと一緒にいるときに襲いかかってきて、わたしをなじるのだ」 ・「臆病者がわたしにつきまとってきて、外出させないように、びくびくさせているのだ」 ・「うつがわたしにとりついて、わたしに不治の病だと信じこませているのだ」
ナラティブセラピーの考え方 その2
問題の物語 <ちょっと考えてみよう> 「子どもがわたしの言うことを聞いてくれない。わたしは『母親失格』です」と、涙ながらに話す母親がいるとします。 ナラティブセラピーでは、「母親失格(=問題)」は、彼女が生まれ育った社会の文化や慣習、教育などの影響によるものだ、と考えます。 それらの文化とは、「子は親に従順に従うものだ」とか「子どもの都合を優先するのが親だ」などであったかもしれません。 これを「彼女を支配する物語」といいます。
問題の物語の書き換え <どうやって心の問題を解決するの?> 支配的物語を書き換えることが、いわゆる心の問題解決になります。 「母親失格」は彼女自身ではないのですから(外在化)、彼女を支配している「母親失格」を彼女から追放して、新しい自分にフィットする物語を書くのです。例えば、「母親も子どもも人同士、自立して生きていくことが大事だ」というふうに。 これを「支配的物語の書き換え」といいます。
主たる技法=質問 <物語の書き換えの方法は?> 中心となる技法は「質問」です。 質問は、相談者が話す話の中にあらわれる経験の中に、矛盾や差異を発見することができるのです。その矛盾や差異は、相談者に気づきを起こし、自分にフィットする物語に書き換える材料となるのです。 この講座では、物語の書き換えを実現するためのさまざまな質問について学ぶことになります。
本科クラス(授業参加クラス) 募集終了 毎月第2土曜日 10:00〜12:00 受講料=39,500円(受講料・テキスト代込) ・集合、オンライン両方での受講が可能です。 ・欠席される場合は、配信動画の視聴をもって出席とします。 ・受講後は、修了証を発行します。 ・修了後、アドバンスコースに進級できます。 ◆聴講クラス(配信される動画を自習するクラス) 募集を続けています 本科授業終了後、1週間程度で配信 参加費用=19,500円(視聴料・テキスト代込) ・事前にテキストを送付し、毎月動画を1回分ずつ配信します。 ・動画は、配信後はいつでも都合の良いときに視聴いただけます。 ・修了証は発行されません。 ・アドバンスコースには進級できません。
【基礎コース】
・第19期ナラティブセラピー技法習得のつどい 案内パンフレットダウンロード ・第19期ナラティブセラピー技法習得のつどい 日程表ダウンロード